食事摂取基準(2020年版)でわかる脂溶性ビタミン

健康について学ぶ厚生労働省から学ぶ栄養
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世の中の怪しげな情報に惑わされないために大事なのは、まずオフィシャルな情報に当たることです

さて引き続き「日本人の食事摂取基準(2020年版)」を読み解く企画、今回は脂溶性ビタミン編です

(コロナ自粛中のGWを利用して栄養基準を読み込むというキモい過ごし方をしております)

 

↓総論はこちら

食事摂取基準(2020年版)でダマサれない栄養知識を身につける
栄養周りの情報はとにかく玉石混交で、商品マーケティングのために発信されていることも珍しくありません。必要以上に不安をあおられないようにするために、まずは厚生労働省の栄養摂取基準で基本を学びましょう!

私の主観で重要度を★の数で表現しています

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ビタミンA(重要度★★★)

 ビタミンA は、レチノイドといい、その末端構造によりレチノール(アルコール)、レチナール(アルデヒド)、レチノイン酸(カルボン酸)に分類される。経口摂取した場合、体内でビタミンA 活性を有する化合物は、レチノールやレチナール、レチニルエステルのほか、β─カロテン、α─カロテン、β─クリプトキサンチンなどおよそ50 種類に及ぶプロビタミンA カロテノイドが知られている

(中略)β─カロテン、α─カロテン、クリプトキサンチンなどのプロビタミンA カロテノイドからのビタミンA への変換は厳密に調節されているので、ビタミンA 過剰症は生じない。ビタミンA に変換されなかったプロビタミンA カロテノイド、リコペン、ルテイン、ゼアキサンチンなどのビタミンA にはならないカロテノイドの一部は体内にそのまま蓄積する。これらカロテノイドの作用としては、抗酸化作用、免疫賦活作用などが想定されている。

抗酸化、免疫作用とあれば健康・美容ともに重要ですね!

ただしサプリメントで摂取するのはオススメできないところです

過剰摂取のリスクを避けるためには、カロテノイドで摂取するのが望ましい

ビタミンAは自然界では基本的にカロテノイド(ベータカロチン等)の形で存在しています

このカロテノイドの形で摂取する場合、必要分のみがビタミンAに変換されるようです

そのため、例えばベータカロチンが豊富なニンジンなどを大量に食べたとしても過剰症は生じません

 

しかし、市販のサプリメントやレバー等はビタミンAの形で含まれているのでご注意ください

カロテノイドは多数あり、それぞれに抗酸化作用や免疫活性作用がある

ではβカロチンのサプリメントを飲めばよいのかな?と思いましたが、思いとどまりました

レポートにもあるように、カロテノイドは50種類以上あり、それぞれに抗酸化作用や免疫活性作用があるようです

通常のサプリメントでこの多様性を表現することは難しいかなと思います

 

カロテノイドは野菜や果物の色素に由来するところが多いので、色鮮やかな野菜をたっぷり食べるのが手っ取り早いかと

ビタミンAの不足について

ビタミンAに関しては肝臓にかなり大きい貯蔵庫があるようなので、短期的に不足するものではなさそう

(ビタミンAを食事から断ってから欠乏症が出るまで200日くらいかかる)

夜盲症や皮膚の乾燥が生じる

夜盲症(暗いところが見えにくくなる)や、皮膚の乾燥・角質化だそうです

夜盲症までいくケースはなかなか無さそうですが、お肌の乾燥や肌荒れが気になるなら意識してみるとよいかも

ただ、前述したように貯蔵分が大きいので、即効性は無いかもしれませんね

不足を回避するためには緑黄色野菜を200g~300g食べる

推定平均必要量は9.3ugRAE/kgです

RAEは最終的にレチノールの形で利用される量であり、体重60kgとすると558ugRAEです

ほうれん草(100g辺り350ug)だと150g程度でしょうか。結構多いですねー

しかもこれは推奨必要量(欠乏する人と充足する人が半々の量)なので、理想的にはもっと必要です

 

ということで本レポートでは、推奨量を850ug(成人男性)としています

ほうれん草換算で200g~300g程度に相当し、かなりしっかり野菜を食べる必要があります

野菜以外にもレバーや卵、チーズ類に多く含まれるので、野菜だけで摂る必要はないですけどね

ニンジンがほうれん草の倍くらい含まれるので更に楽ではあります

 

卵1個 + ほうれん草200gを目指していくといいかんじかなというところ

カロテノイド自体はビタミンAにならないものも含めると700種類くらいありますので、

いろんな野菜をモリモリ食べていただきたいところ

ビタミンAの過剰について

ビタミンAの過剰症は脳や肝機能に影響するためリスクが高い

頭痛、ひどくなると脳脊髄液圧が上昇したり、脱毛や筋肉痛、肝機能障害に発展するとのこと

過剰摂取のリスクとしては怖い方では無いでしょうか

サプリメントやレバーの大量摂取は好ましくない

過剰摂取の主な要因はサプリメントや大量のレバー類によるものです

(レバー類は卵の100倍くらい含まれます)

それ以外の通常の食品においては問題ないとのこと

 

成人の耐用上限量は2700ugRAE/日とかなり上なので、野菜や卵を食べまくった程度では超えないでしょう

仮にβカロチンの形であっても、サプリメント大量摂取で前立腺がんのリスクが上がる可能性が示唆されています

ビタミンD(重要度★★)

ビタミンD には二つの供給源がある。一つは、ヒトを含む哺乳動物の皮膚には、プロビタミンD3(7─デヒドロコレステロール、プロカルシフェロール)がコレステロール生合成過程の中間体として存在し、日光の紫外線によりプレビタミンD3(プレカルシフェロール)となり、体温による熱異性化によりビタミンD3(カルシフェロール)が生成する。もう一つは、食品から摂取されたビタミンD2 とビタミンD3 である (中略)ビタミンD の主な作用は、ビタミンD 依存性たんぱく質の働きを介して、腸管や肝臓でカルシウムとリンの吸収を促進することである。

ビタミンDは食品に加え、皮膚に紫外線が当たることでも合成することができます

(ただし日照量や皮膚の露出量に大きく影響を受ける)

骨折リスクに関わるほか、ホルモン分泌にも関わるとのこと

ビタミンDの不足について

ビタミンDが不足すると、低カルシウム血症(骨粗鬆症)のリスクが上がります

不足を回避するためには魚介類を食べるのがメイン

推奨量は15ug/日(70歳以下)ですが、これは日光合成分を含めたものです

骨粗鬆症予防として有名なビタミンDですが、供給源は人間の皮膚そのもの、及び食品です

 

食品としては魚介類ときのこ類に含まれますが、メインの供給源は魚介類でしょう

(鮭一切れなら25ug含まれるが、しいたけ100gには0.3ugしかない)

日本人のビタミンD総摂取量の8割が魚介類だそうです

 

皮膚に日光が当たることでも合成できますが、日照量や肌の露出によっても大きく変わります

5.5ugのビタミンDを合成するために、夏の那覇なら数分、冬の札幌ならほぼ合成されないか1時間以上かかります

 

私のようにインドア人間なら意識して摂取していきたい栄養素ですね

ビタミンDの過剰について

高カルシウム血症や腎障害が代表的な症状です

日光に当たることによるビタミンD過剰は生じないとのことです

日光合成分と食事摂取の合算であるためはっきりとした根拠は無いようですが、耐用上限量は100ug/日とのこと

 

サプリメントを除く通常の食事で達することは無いでしょう

ビタミンE(重要度★)

ビタミンE は、生体膜を構成する不飽和脂肪酸あるいは他の成分を酸化障害から防御するために、細胞膜のリン脂質二重層内に局在する。動物におけるビタミンE 欠乏実験では、不妊以外に、脳軟化症、肝臓壊死、腎障害、溶血性貧血、筋ジストロフィーなどの症状を呈する。過剰症としては、出血傾向が上昇する。通常の食品からの摂取において、ビタミンE 欠乏症や過剰症は発症しない

次は抗酸化ビタミンとして有名なビタミンEです

現状の日本において、過剰摂取も欠乏もあまり見られないことから、厳密な下限、上限は定められていません

目安量ではおおよそ6~7mg/日程度、上限は800mg/日程度と考えられていますが、それほど強い証拠はなさそう

 

全体的にビタミンEに関しては人体への影響がはっきりしていなさそうですね

ビタミンEをサプリメントで摂るのはオススメできない

ビタミンE のサプリメントを用いた多くの介入試験の結果は、冠動脈疾患発症に対して有用であったとする報告と全く効果がないとする報告、さらに、かえって死亡率を増加させるとする報告まで様々である98─101)。また、過剰量のビタミンE と骨粗鬆症の関連を示す報告102)があったが、動物実験データであり、臨床データの裏付けがないことから、考慮しなかった。以上から、目標量の設定を見送った

サプリメントでビタミンEを補給することに関しては効果不明、もしくはやや否定的です

個人的には、あえてサプリメントを買うことはないかなと思っています

ビタミンEは通常の食生活で不足することは考えにくい

植物油(コーン油や大豆油)、ナッツ類、緑黄色野菜など幅広く含まれます(自然由来の方が効力が高いとも)

特に植物油には大量に含まれる(コーン油10gに対して8mgくらい)ので、よほど不足しなさそうです

というか必要量自体があいまいですしね

 

上限量もかなり多いので、通常の食生活であれば気にする必要は無いかと

ビタミンK(重要度★)

ビタミンK は、肝臓においてプロトロンビンやその他の血液凝固因子を活性化し、血液の凝固を促進するビタミンとして見いだされた。肝臓以外にもビタミンK 依存性に骨に存在するたんぱく質オステオカルシンを活性化し、骨形成を調節すること、さらに、ビタミンK 依存性たんぱく質MGP(Matrix Gla Protein)の活性化を介して動脈の石灰化を抑制することも重要な生理作用である。ビタミンK が欠乏すると、血液凝固が遅延する。通常の食生活では、ビタミンK 欠乏症は発症しない。(中略)

以上より、骨折予防のためには肝臓の血液凝固因子活性化より多くのビタミンK を必要とすることが考えられるものの、現状では正常な血液凝固能を維持するのに必要なビタミンK 摂取量を基準として適正摂取量を設定するのが妥当と考えた。また、現時点では推定平均必要量及び推奨量を算定するに足る科学的根拠はないものと考え、目安量を設定した。

ビタミンEに続き、現時点では不足が問題になることが少なく、基準ははっきりしていません

おまけに血液凝固に必要なビタミンKの量も明らかでないとのことで、人体への影響はよくわからんところ

(あえて言うなら骨折リスクと関連しているかも?と言われている程度)

ビタミンKは通常の食事で不足することは考えにくい

前述の通りはっきりした摂取量の根拠がないので、目安量でざっくり気にすればよいかと思います

150ug/日が目安量です

 

食品的には納豆、緑黄色野菜に多く含まれます

納豆にかなり多く含まれるらしく、納豆を食べるかどうかで分布が大きくバラついているとのこと

(納豆100gで600ug, ほうれん草100gで270ugのビタミンKが含まれます)

 

普通に野菜食べたり、時々納豆食べている人なら気にしなくて良さそうですね

まとめ:緑黄色野菜を一日200g、魚を週に2~3回食べる

実際の食生活に応用するとしたら、緑黄色野菜を一日200g以上食べてビタミンAを摂りつつ、

週に2~3回魚を食べてビタミンDを補給する、という感じでしょうか

一人暮らしだと魚は遠のきがちなので気をつけたいところですね

 

ビタミンA及びビタミンEにはサプリメントを摂取するには不安があるので、個人的にはやめておこうと思います

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