お腹の痛さに心当たりがないときにチェックする乳製品の話【FODMAP】

なんだか最近お腹の調子が悪い…けれど何が原因だったのかよくわからない、そんなことはありませんか?私はあります。ときにはみんなと同じものを同じように食べているのに、自分だけお腹を下すこともあるかと思います。体質だと諦める前に原因と対策を知っておけば、お腹の調子を気にせずに食事を楽しめるかもしれません

ということで今回は、お腹の不調の原因になりうる乳製品についてまとめました!

牛乳を飲むとお腹をこわす、ということはご存じの方も多いかと思いますが、それだけではありません。牛乳でもお腹を壊しにくいものもありますし、ヨーグルトやチーズ、プロテインでも注意する点があります。原因不明の下痢やガスにお悩みの方は一度チェックしていただければと思います

 

この記事を書いた人

  • 物心ついたころから下痢や腹痛に悩まされ続けて多分20年くらい
  • 自分の体で実験した体験記をブログで発信しています

結論から言うと、より液体に近いもの、そしてイヌリンという添加物に要注意です

 

なぜ乳製品でお腹を壊すのか

食品に含まれるある種の糖質がうまく消化できず、腸内でガスを作りすぎている可能性があります。このガスの原因となる糖質はいくつかありますが、乳製品と関係が深いものを2つご紹介します

 

乳糖(ラクトース)

牛乳にも炭水化物がある程度含まれますが、そのうちの99%近くがこの乳糖(ラクトース)です。ほんのり甘く、食物繊維のような働きをすることで腸内環境の改善に役立つと言われています。しかし大人になるにつれ、この乳糖をうまく分解できずにガスが溜まったり下痢の原因になったりします(乳糖不耐症)

一般的には乳糖不耐症でも牛乳1杯くらいは問題ないと言われますが、それでも牛乳が冷えていたり、その日の体調が悪かったりすれば問題になりうるかと思います。

引用:一般社団法人 Jミルク

 

イヌリン

そしてもう一つはイヌリンという添加物です。ゴボウに多く含まれる糖質で乳製品とは全く関係が無いのですが、低カロリーで乳糖に似たやわらかな甘みがあり、そして食物繊維的な役割を果たすことから多くの加工品に含まれています。こちらも健康な人にとっては便通を改善する効果があると言われるものの、お腹を下しやすい人にとっては逆効果になりえるようです

シリアルやグラノーラ、アーモンドミルクといわゆる健康志向で、牛乳と相性がいい食品に含まれることが多いです。牛乳でお腹の調子が悪くなっていると思っていたら、実はこちらが原因だった、ということもありえます。実のところ私がそうで、牛乳た多少飲んでも大丈夫ですが、アーモンドミルクはものすごくお腹が張ります

 

お腹の調子を悪くしないための食事法

当ブログでは低FODMAP食事法を試してみることをオススメしています。乳糖やイヌリンのようなお腹が弱い人にとってガスを発生させる要因になる食材を減らす食事法です。詳しくはこちらのまとめ記事をどうぞ

おなかの不調をやわらげる、低FODMAP食事法まとめ!

 

お腹の調子を悪くしないための乳製品の食べ方

さて、ここで本ブログにお寄せいただいたコメントをご紹介します

FODMAPについて疑問があり見解をお聞きできればと思いコメントさせて頂きました。
例えばアカディ(乳糖80%カット)は低FODMAPですが乳糖が20%は入ってるのだから高FODMAPのチーズをちょっとつまんでも同じじゃない?と思ってしまうわけです。
考え方として100gに対し問題の糖類がどれだけ入っているか?のような考え方なのでしょうか…
(nosaさんのサイトがどうの、とかではなくFODMAP全体の話にはなりますが…)
あと低FODMAP欄に脱脂粉乳とスキムミルクがありますが通常のものは高FODMAPではないのでしょうか?
よろしくお願いします。
コメントありがとうございます!
低FODMAP食事法も”比較的”低リスクな食材と、”比較的”高リスクな食材に分けているだけで、実は結構あいまいです。なので質問者様のようなお悩みは当然あるだろうなと思います

ここで乳製品のFODMAPリスクを再確認

  • 硬めのチーズ
  • ラクトフリー製品
  • バター
  • サワークリーム
  • 牛乳(生乳)、ラッシー、アイスクリーム、生クリーム
  • 柔らかめのチーズ
  • ヨーグルト

ざっくり水分が多くて元の牛乳の形に近いものがNGで、そうでないものがOKとして分類されます。しかし先程も言ったとおり、このOKとNGはわかりやすく2つに分けただけで、はっきりした境界があるわけではありません

ということで、どの乳製品がどれくらいリスクがあるかを数字で比較してみます

 

乳製品に含まれる炭水化物量ランキング

ラクトースは糖質つまりは炭水化物なので、各乳製品に含まれる炭水化物量で比較をしてみました。とはいえ、ヨーグルトやチーズなど発酵するものは乳糖の一部が消化しやすく分解されていたり、プロテインは甘味料が添加されていたりしますので、あくまで目安として捉えてください

乳製品1食の量1食の目安炭水化物の量(およそ)
スキムミルク/脱脂粉乳20gコップ一杯(200ml)相当10.5g
牛乳200mlコップ一杯9.5g
ホエイプロテイン(WPC)30g一食分2.5g
ヨーグルト75g4小分けパックの1個2.3g
クリームチーズ35g6pチーズ2かけくらい2.3g
モツァレラチーズ35g同上1.5g
ホエイプロテイン(WPI)30g一食分1.2g ※乳糖ほぼゼロらしい
生クリーム30mlショートケーキ1カットで使うくらい?1.0g
カッテージチーズ35g6pチーズ2かけくらい0.66g
パルメザンチーズ35g同上0.66g
ゴーダ/チェダーチーズ35g同上0.48g
カマンベールチーズ35g同上0.31g
バター10gバターソテーで使うくらいほぼゼロ

基本的には牛乳に近いかたちのものほど、炭水化物が多く、おそらく乳糖も多い傾向にあると思われます。脱脂粉乳/スキムミルクに関しては脂肪分を取り除いて凝縮されている分、通常の牛乳より高リスクである可能性もあります。その一方で高リスクだと言われていたプロセスチーズやカッテージチーズは他のチーズと大差ないようです

海外のサイトも漁ってみましたが、カッテージチーズは低リスクとして扱われることもあり、プロセスチーズはナチュラルチーズと牛乳を混ぜて作る可能性があるから高リスク、とのことではっきりした根拠はありませんでした。製品ごとにかなり違うでしょうしね…

ということでご質問いただいた内容に回答すると、

アカディ(乳糖80%カット)は低FODMAPですが乳糖が20%は入ってるのだから高FODMAPのチーズをちょっとつまんでも同じじゃない?と思ってしまうわけです。

ご認識の通りで、アカディコップ1杯のリスクはおよそ、

  • ヨーグルト小鉢
  • クリームチーズ 35g

と同程度かなと考えています。普通に牛乳を飲むことに比べればかなりリスクは低いが、他のチーズやバターと比べると低リスクではない、という微妙な感じですね。よほど過敏な人でなければそれなりに食べられるのかなと思います。逆にヨーグルトやクリームチーズといった高リスク食材も、たくさんの量を食べなければ問題ない人も多そうです

脱脂粉乳/スキムミルクを低FODMAPに分類していましたが間違いでした…申し訳ありませんでした

 

ちなみにちょっと近い別の質問もいただいていまして、

人工甘味料無し、美味と話題のULTRAを検討していました。WPIが50%配合という事…。FODMAP的にはやはり「高」になりますかね…ちなみに栄養補助的な飲用で、毎日ガンガンは飲みません。

WPIには乳糖がほぼ含まれない(メーカーHPより)と仮定すると、WPI 50%なら普通のプロテインに比べてリスクは半分くらいなのかなと思います。とすると、ヨーグルト小鉢の半分以下のリスクで、チーズ類を食べた時とそれほど変わらないのかなという印象です。

と言うことでWPI 50%なら低FODMAPといってもいいのではないかなーと思います

 

まとめ

お腹の調子が悪いときには下記の食材を取りすぎていないかを確認しましょう

  • 牛乳、ヨーグルト、水気の多いチーズ
  • イヌリンが入った加工食品

 

実のところ下痢の原因は食事だけではなく、運動やストレスなど様々な要因が絡まって起こっているので、食品だけが原因とは言い切れません。加えて私の場合、温かい牛乳は大丈夫で、冷たい牛乳だと高確率で下します。お腹をこわす原因は乳糖だけでは無いのかもしれませんね。とはいえ自分がお腹を壊しやすい食材を知っておけば、安心して食事を楽しめます

 

以上!

本ブログでは下痢がちな男がお腹を強くする過程を発信しています。共感いただけることがありましたらシェアいただけると励みになります!