食事摂取基準(2020年版)でわかるエネルギー(カロリー)

私は生まれつきお腹が弱く、原因不明の疲れや肌荒れにも悩まされてきました

10代の頃から健康番組大好き、20代ではサプリメントを試しまくりましたが、効果はありませんでした

テレビやネットで「〇〇がいい!」と言われるたびに飛びついて、もはや何を信じていいかわからなくなっています

 

ということで基本に立ち返り、一番信頼できるであろう情報、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」を読んでみることにしました

今回はエネルギー(カロリー)についてです

 

まとめ記事はこちら

  私は生まれつきお腹が弱く、原因不明の疲れや肌荒れにも悩まされてきました 10代の頃から健康番組大好き、20代ではサプリメントを試しまくりましたが、効果はありませんでした テレビやネットで「〇〇がいい![…]

 

本記事は日本人の食事摂取基準(2020年版)を健康オタクなエンジニアが読み解いてみて、要約してみたものです

医者や栄養士ではない著者ですが、専門的になりすぎない視点をお届けします

日本人の食事摂取基準(2020年版)はこちら

 

エネルギー摂取量とエネルギー消費量の出納バランスが基本である

エネルギー出納バランスは、エネルギー摂取量-エネルギー消費量として定義される(図1)。成人においては、その結果が体重の変化と体格(body mass index:BMI)であり、エネルギー摂取量がエネルギー消費量を上回る状態(正のエネルギー出納バランス)が続けば体重は増加し、逆に、エネルギー消費量がエネルギー摂取量を上回る状態(負のエネルギー出納バランス)では体重が減少する。(中略)身体活動量が不変であれば、エネルギー摂取量の管理は体格の管理とほぼ同等である。

世の中には「〇〇するだけで激ヤセ!」とか胡散臭い情報が溢れております

ただし、やはり基本は食べた量>消費した量なら太る”し、”食べた量<消費した量なら痩せる”ということでしょう

痩せ過ぎも太り過ぎも死亡率が上がる

一度は聞いたことがあるであろうBMI(体格指数)と死亡率の関係性が示されています

痩せすぎの方が死亡率が遥かに高いのは注目ポイントです

ちなみに真ん中のJACC Studyは高齢者を主に解析しており、この場合はBMIが高いほど総死亡率が低い傾向が見られています

 

しかしながら、BMI自体は身長と体重の比率でしかなく、筋肉量や運動量を考慮していません

本レポート中でも”BMIはあくまで目安であり、BMIで体型管理する意味は乏しい”と言われております

基本的に痩せすぎでも太り過ぎでもダメということを理解しておけばよいかと思います

 

(若い女性は痩せ型が多く、厚生労働省もやや問題視しております)

短期的な食事制限・カロリー制限には意味がない

今回読んでいて一番面白かったのがこちら

単純には、100 kcal/日のエネルギー摂取量の減少は14.3g/日の体重減少、つまり、5.21 kg/年の体重減少が期待できる。しかし、体重の変化(減少)に呼応してエネルギー消費量が減少するため、時間経過に対する体重の減少率は徐々に緩徐になり、やがて、ある時点(settlingpoint)において体重は減少しなくなり、そのまま維持される。

この図から私が読み取ったのは下記の2点

  • 痩せれば痩せるほど、消費エネルギー(代謝)が減るので痩せにくくなる(逆もまた然り)
  • 体型(体重)はエネルギー摂取量に遅れて一致してくる

これ以上はこのレポートでは言及されていませんが、仮に短期的なカロリー制限を行ったらどうなるかを考えてみました

短期的な食事制限・カロリー制限をするとどうなるか

(お手製の図なので汚いのはご勘弁)

①減量期

厳しいカロリー制限を行うことで、体重は急速に減り始めます

しかしながらそれに伴い、代謝(体重や筋肉)が減少し、赤線のバランス点に向って収束し始めます

自分の体が軽くなれば動かすのに必要な力も少なくなるので、筋肉が落ちるのは想像できますね

②リバウンド期

ある程度体重が痩せたことで満足して、もとの食事に戻したとします

するといつもの食事の摂取カロリーを目指して、体はもとのバランス点に向って収束し始めます

しかし、筋肉がつくのには時間がかかるので、今までと同じ食事を摂っていたとしてもカロリーオーバーになります

この期間がいわゆるリバウンドです

 

短期的なダイエットを繰り返す人がなかなか痩せないのは、この期間を繰り返しているためでは無いでしょうか

③じわじわ体重が増え続けながらの収束期

②の期間で体重(しかも主に脂肪)が増えつづけ、するとより大きい力が必要なるので筋肉が追いついてきます

そして長い時間をかけて、①の前に戻ります

一生続けられない時点でリバウンドは避けられないのではないか

ということで、ある一定の期間だけ厳しく制限する食事法では原理的にリバウンドが起こると考えています

これを避けるためには、

  • 食事制限と並行して筋トレを行い、代謝が下がることを防ぐ
  • そもそも普段の食習慣を改善する

というような至極まっとうな正論に話が落ち着くわけですねー

なにか新しい食事法を見かけた際は、「この食事法は一生続けられるんだろうか」という観点で考えると地雷を踏まずに済みそうです

とはいえ個人差はかなりある

エネルギー必要量の分布を正規分布と仮定すると、例えば成人男性の場合、真のエネルギー必要量が推定エネルギー必要量±200 kcal/日(幅として 400 kcal/日)の中に存在する者は全体の7 割程度に留まり、残りの3割の者のエネルギー必要量はそれよりも多いか又は少ないと推定され る。これは、エネルギー必要量の個人間差の大きさを示していると理解される。

プラスマイナス200kcal(400kcalの幅)としたとしても、30%ほどの人は外れてしまうとのことです

太る、痩せるは基本的にエネルギー摂取量と消費量のバランスで決まるとは言われていますが、個人差はかなり大きくあるようです。400kcalとすれば軽食くらいにはなりますしね

まとめ

ということでダイエットの結論としては身も蓋もない結論に落ち着いてしまいました

特にダイエット周りは人のコンプレックスに関わるので”儲かる”分野と言われており、その分怪しい情報だらけです

気をつけていきましょう