栄養は大事です。特に日本人は偏りがちというのは事実です
とはいえ毎日は忙しいもので、そんなときサプリメントはとても便利です
私も十代のときからビタミン系のサプリメントのお世話になってきました
今回、自分なりに調べてサプリメントの一部を止めてみた、という話です
結論から言うと特に何も変わりません、というか良くなりました
- マルチビタミンミネラルサプリメントを買おうか迷っている人
- マルチビタミンミネラルサプリメントでも体の調子がよくならない人
そんな人に読んでもらえればいいなと思います
お腹の不調、肌荒れや疲労感を解決したかった
私はうまれつきお腹を壊しやすいタチでして、気づいたときには乳酸菌サプリを使っていました
思春期になると肌荒れが気になり、ビタミンB群やビタミンCを。
社会人になると疲労感や栄養の偏りが気になり、マルチビタミンミネラルをと、
年を追うごとに使用するサプリメントの量や金額が増えていきました
どんなサプリでも飲み始めは効いたような気がします
起き抜けの体が軽くなったり、肌荒れが少なくなったりするのです
でもしばらくすると効果を感じられなくなります
根本的な対策になってないなとは思いながらも、ダラダラと続けていました
軽い依存だったのかもしれないなと思います
止める決心がついたのは栄養について勉強してから
仕事上のストレスと相まって壊滅的にお腹の調子を崩してしまいました
根本的に見直さなければいけないと思い、栄養について勉強しました
すると、サプリメントの効果はそれほど証明されていない上に、デメリットすらあることが分かりました
厚生労働省の食事摂取基準を根拠にしています
食事摂取基準とは、厚生労働省が出している日本人が摂るべき栄養素の基準です
やや保守的ではあるかもしれませんが、間違いなく日本で一番信頼できるレポートです
(もちろん海外の研究結果も合わせて検討されています)
もし全国民に効果がある栄養素やサプリメントがあればここに出てくるはずです
国の社会保障費にダイレクトに影響するからです
しかしながら、このレポート内でサプリメントが薦められることは一切ありません
サプリメントで健康状態が改善した例はあるか?
食事摂取基準から、サプリメントで健康状態が改善した例を抜き出してみます
ビタミンやミネラルは全部で26種類ありますが、サプリメントで健康状態が改善した例はこれだけです
世の中でイメージ付けられているほど、サプリメントの効果は確認されていないようです
栄養素 | メリット |
---|---|
ビタミンK | 骨折リスクが減少する(ただし大量に投与した場合) |
ビタミンB12 | 体内貯蔵量が上昇する(ただしビタミンB12が欠乏した高齢者が対象) |
葉酸 | 受胎前後に摂取すると神経管閉鎖障害のリスクが低減する可能性がある |
例が少ない上に、どれも限定的ですね
サプリメントによるリスクはあるか?
反対に、食事摂取基準から栄養摂取のリスクを抜き出します
健康状態が改善した例に対して、リスクの方がはるかに多く書かれています
今回はサプリメント関連に絞っていますが、過剰摂取まで入れるともっとあります
栄養素 | リスク |
---|---|
ビタミンA | 過剰摂取による健康障害の報告あり。また、ベータカロテンサプリでガン(特に肺ガン)のリスクが上がる可能性あり |
ビタミンE | 冠動脈疾患リスクに対して、有用とする報告と、かえって死亡率を増加させる報告の両方がある |
葉酸 | ビタミンB12の欠乏による悪性貧血に対して、多量摂取すると悪化する可能性あり |
ビタミンC | 尿路結石リスクが上がる(慢性腎臓病患者) |
カルシウム | 心血管疾患リスクが上がる |
鉄 | 総死亡率上昇(高齢女性)、及び慢性疾患の発症を促進する可能性あり |
亜鉛 | 銅や鉄の吸収を阻害する |
銅 | 全死亡率上昇(高齢女性)。ただし問題ないという調査結果もある |
セレン | 2型糖尿病の発生率を上げる可能性がある |
わざわざお金を払ってサプリメントを買う理由がない
人が健康に生きるのに栄養素が必要であることは間違いありません
しかし、サプリメントで摂取するメリットは驚くほど証明されていません
特に沢山の種類が入ったマルチ系サプリメントは無駄にリスクを高めるだけではないか、と思いました
サプリメントは健康的な食事の代わりにはならない、ということでしょう
(サプリメントにも「食生活のバランスが大事だよ!」と書かれています)
もちろん医師に指導されて特定の栄養素を補うだけならばいいと思います
マルチビタミンミネラルを止めてみた
今まで長らく頼ってきたので抵抗はありましたが、止めても何も変わりませんでした
むしろ体の調子が良くなりました
サプリメントを止めたから、というより食生活を変えるしかないことに気づいたからです
私の場合、サプリメントを止めつつ食事の改善をしました
- 魚を週に2~3回は食べる
- 緑黄色野菜や果物を中心に毎日400g食べる
即効性はありませんが、十数年悩んでいた体質が少しずつ良くなってきました
もちろんサプリメントメーカーが悪者ではありません。需要があるから作っているのです
事実、サプリメントは ”極端な欠乏症の人にとっては” 役に立ちます
使う側が賢くならないといけないな、と思いました
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エンジニアの世界では、パレートの法則をよく使います(元は経済用語です)
栄養に関して言えば、20%は食生活の改善であって、健康食品やサプリメントではないのでしょう
いまのところ近道はなさそうです