鮭・サーモンは種類によって脂質の量が違う!という話

お寿司、お刺身、焼き魚、とよく食卓に登場する鮭(サーモン)ですが、たくさん種類があるのをご存知でしょうか?しかもその種類によってカロリーは2倍ほど違います。一番低カロリーな種類では100gで130kcalほどですが、一番高い種類では220kcal近くになります

このページでは日本で流通している8種類の鮭・サーモンを比較してまとめています。料理ごとに適した種類を使えるようになったり、ダイエットするときの食材選びにお役立てください

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  • 物心ついたころから下痢や腹痛に悩まされ続けて多分20年くらい
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  • 食材や栄養素を比べまくる健康オタクです

 

鮭は低カロリーと高カロリーの2グループがある

日本で流通している鮭(サーモン)はおおよそ8種類あります。その8種類をカロリー順に並べてみると、カロリーが高いものと低いものに分けることができます

鮭の種類エネルギー [kcal]タンパク質 [g]脂質 [g]
シロサケ12422.34.1
ベニザケ12722.54.5
カラフトマス13921.76.6
サクラマス14620.97.7
↑低カロリーグループ   ↓高カロリーグループ
キングサーモン(マスノスケ)17619.512.5
ギンザケ18819.612.8
トラウトサーモン(ニジマス)20121.414.2
タイセイヨウサケ(アトランティックサーモン)21820.116.5

文部科学省の食品データベースから引用

収穫時期や生育環境によってかなり違うとも言われますので、あくまで一般的な傾向としてご利用ください。例えば普通の銀鮭は脂質12〜13%程度ですが、贈答用だと倍近くになることもあるようです

 

脂質が低いグループ

しろさけ(白鮭)

もっとも脂質が少なく低カロリーなのが白鮭です

時鮭、時しらず、秋鮭とも呼ばれます。日本で古くから食べられてきた種類で日本の鮭といえばこれなのですが、スーパーや回転寿司などで見かけることはほとんどありません。100%天然ものしかなく、安価で流通させることが難しいのだと思われます

amazonだと鮭とばの形で流通しているようですね。低カロリーでちょっと贅沢なおつまみ、おやつになりそうです

べにざけ(紅鮭)

その名の通り、他の種類より身が赤いのが特徴です。鮭の中では最も脂質が少ない種類の一つで、100g中タンパク質22.5gに対して脂質4.5gとかなり低脂質です。白鮭と同様に現在では養殖することができず、流通しているものは天然のみとのこと。よく見かけるのはコンビニのおにぎりでしょうか

白鮭とは違い、紅鮭はスーパーでも見かけることがあります。およそ国産かロシア産の冷凍塩鮭の形で売られていることが多いので目にする機会も多いかと思います。ただしやや高価なので、スーパーで買うより通販やふるさと納税でまとめて買って冷凍しておくとコスパがいいのかなと思います

からふとます(樺太鱒)

英語ではピンクサーモンと呼ばれる種類です。スーパーで切り身として見かけることはあまり多くありませんが、鮭缶として売られているのはこちらです。確かにサバ缶と比べても低カロリー低脂質ですね

サバ缶は脂っこくて苦手、と言う方にはおすすめですね

鮭の種類エネルギー [kcal]タンパク質 [g]脂質 [g]
鮭缶 (180g)23632.910.6
サバ缶 (180g)41722.436.3

※製品によって大きく違うので参考までに

 

さくらます(桜鱒)

淡路島名物で有名です。養殖されることもありますが漁獲量が少なく、見かける機会は少ないかと思います

 

脂質が高いグループ

脂質が高く高カロリーなグループは、基本的に養殖できる種類が多い傾向にあります

銀鮭

皮が銀色で、紅鮭より薄いピンク色の身が特徴です。養殖メインで安価であるため、スーパーで鮭といえばほぼこれです

鮭の種類エネルギー [kcal]タンパク質 [g]脂質 [g]
ベニザケ12722.54.5
ギンザケ18819.612.8

紅鮭と比べると脂質は2倍以上多く、その分だけカロリーも高めです。しかしながら豚バラ肉に比べたら半分くらいですので、必要以上に心配するほどではないかと思います

トラウトサーモン(ニジマス)

刺身の形で見かけることが多い種類です。気にするほど大きな差ではありませんが、先程の銀鮭よりも脂質が多くカロリーが高めです。とはいえ脂が多くてトロリとして刺身やお寿司で食べると美味しいですね。ただもしかするとムニエルのように油を多く使った料理ではこってりしすぎるかもしれません

鮭の種類エネルギー [kcal]タンパク質 [g]脂質 [g]
ギンザケ18819.612.8
トラウトサーモン(ニジマス)20121.414.2

 

アトランティックサーモン(タイセイヨウサケ)

トラウトサーモンと同様に、スーパーや回転寿司で刺身やお寿司の形でよく見かけます。今回ご紹介した8種類の中では一番脂質が多く高カロリーです。

鮭の種類エネルギー [kcal]タンパク質 [g]脂質 [g]
ギンザケ18819.612.8
タイセイヨウサケ(アトランティックサーモン)21820.116.5

 

鮭の脂質はあまり気にしなくていい

このように、種類によって大きくカロリーや脂質が違う鮭(サーモン)ですが、個人的にはそこまで神経質に気にする必要はないかと思います。理由は二つありまして、人間に必要な脂質も含まれるから牛肉や豚肉と比べたら大したことがないから、です

 

鮭には人間に必要な脂質が多く含まれる

脂質は1gあたり9kcalと、炭水化物やタンパク質に比べると同じ量でもカロリーが高いことが特徴です。ダイエッターには避けられる傾向にありますが、実は人間にとって必要な栄養素でもあります。とはいえ脂質ならなんでもいいわけではなく、必須栄養素だと言われているのは多価不飽和脂肪酸です。鮭の場合、この多価不飽和脂肪酸が牛肉や豚肉などより多く含まれます

必須栄養素の脂質

肉の種類(100g)飽和脂肪酸 [g]一価不飽和 [g]多価不飽和 [g]
ギンザケ2.34.873.74
牛肩ロース(輸入) ※推定値7.547.100.48
豚肩ロース7.268.172.10

さらに多価不飽和脂肪酸のうちn-3系脂肪酸(オメガ3)は魚介類に含まれるのが主で、やや不足しやすい栄養素かと思います。なので多少脂質が多くとも、鮭を食べるメリットはあるのかなと思います

 

牛肉や豚肉より低脂質

肉の種類エネルギー [kcal]タンパク質 [g]脂質 [g]
ギンザケ18819.612.8
牛肩ロース(輸入)22117.917.4
豚肩ロース23717.119.2
とりもも(皮付き)19016.614.2

加えて、鮭の脂質が多いと言っても、牛肉や豚肉より低脂質です。上の表では比較的脂質が少ない部位で比較しましたが、それでも銀鮭の方が脂質に対してタンパク質が多く、カロリーも低いことがわかります

カロリーを気にするのであれば、牛肉や豚肉(特にバラのような脂の多い部位)を避けることの方が話が早いと思います

 

まとめ

本記事では鮭の種類ごとに脂質を比較しました!牛肉や豚肉の脂質と比べればそれほど気にすることもないのですが、料理による向き不向きはあるかもしれません

例えば、紅鮭は脂質が少ないので生で食べるとやや物足りないかもしれませんし(あまり見かけませんが)、アトランティックサーモンを油であげるとクドイことはありそうです

料理や体調によって上手く使い分けられるとよいですね!個人的には銀鮭で焼き鮭を作るとちょっと油臭いことがあったりするので、紅鮭が好みです

 

本ブログでは、国の食事摂取基準や栄養データベースをもとに食材を分析してみたり、お腹を壊しやすい人向けの知識を発信しています。