モナシュ大学の低FODMAPブログ記事まとめ2

お腹の調子が悪い人

低FODMAP食事法は、オーストラリアのモナシュ大学(Monash University)で研究が進んでいます。怪しげな民間療法ではないですよ

モナシュ大学(モナシュだいがく、英語Monash University)は、オーストラリアメルボルン近郊のクレイトン英語版に本部をおくビクトリア州立の大学であり、オーストラリアが誇る各種世界大学ランキング百名校の大学である。 -wikipedia

そんなモナシュ大学ですが、大学公式サイトで低FODMAP食事法に関するブログを運営しています。もちろん英語なのでちょっと読みにくいですが、低FODMAP食事法に関してもっとも信頼できる情報源の一つです

そこで、今回はそのモナシュ大学のブログからいくつか気になった記事を拾って和訳+要約する企画です

 

この記事を書いた人

  • 物心ついたころから下痢や腹痛に悩まされ続けて多分20年くらい
  • 自分の体で実験した体験記をブログで発信しています

 

モナシュ大学 低FODMAPブログまとめ1

低FODMAPとNICEガイドライン

過敏性腸症候群(IBS)の患者には、低FODMAP食事法以外にもNICEガイドラインをおすすめされることがあるようです

NICEガイドラインとは、イギリスのNational Institute of Clinical Excellence (NICE)という国立機関が2008年に発表、2017年まで更新されたガイドラインのことのようです。このNICEガイドラインを適用して改善しなかった場合に、低FODMAP食事法が取り入れられることがあるそうです

 

低FODMAP食事法と何が違うのか

低FODMAP食事法は具体的な食材リストがあり、取り組む期間が決まっているのに対して、NICEは食事以外の点でも広く症状悪化の引き金を減らそうとするものです。ガイドラインというだけあって、全体論的な話ですね

出典記事の方でまとめられていた概要を見るに、

  • ソルビトール、難消化性デンプン、不溶性食物繊維、炭酸、アルコール、カフェインを多く含む食品を回避すること
  • 断食やドカ食いをせず、少量の食事を定期的かつゆっくりと食べること
  • ストレスを減らすために、運動を増やすこと、余暇を増やすこと

ガイドラインというだけあって、低FODMAP食事法より抽象的でユルいものですね

低FODMAP食事法の方が効果があったようですが、それだけ制限が厳しくて続けにくく、そして食生活が偏るので長く続けることはおすすめされていません。NICEガイドライン自体は一般的な対策に近いので、低FODMAPをガッツリ始める前に取り組んでおくのがよさそうです

 

出典:https://www.monashfodmap.com/blog/nice-guidelines-diet-and-ibs/

 

ホリデーシーズンにIBSを管理するための7つのヒント

こちらはもう少しフランクな話です。本記事作成時点では年末ですが、家族や友達と食事をとったり飲み会があったり、普段とは違う食生活になる方も多いのではないでしょうか。そんな時に体調をコントロールするヒントです

事前に計画する

飲み会や集まる予定があったり、逆におもてなしする必要があったり、ホリデーシーズンは何かと忙しめです。そんな時に自分に合った食事を用意するのは大変なので、あらかじめ食事を冷凍しておく、低FODMAPなおやつを用意しておく、などしておきましょうという話でした

独自の低FODMAPプレートを持参する

これは日本だとあまり馴染みがないですが、パーティに自分専用のプレートを持参するのだそうです。かなり制限が厳しい人向けですね

飲み物を工夫する

アルコールやカフェインはお腹の症状を悪化させる可能性があります。出典元の記事ではハーブティがおすすめされていますが、そのほかのノンカフェインコーヒーも良いかも知れませんね。ノンカフェインコーヒーは私もかなり試しましたが、スタバのデカフェコーヒー豆が一番美味しいと思っています

軽いスナックを食べる

脂っこいスナック菓子を避け、その代わりにフルーツやナッツを少しずつ食べるようにしましょう、とのこと

まず低FODMAPな食材でお腹を満たす

シンプルに焼いた肉、じゃがいも、ニンジンなどは低FODMAPな食材です。こういった食材を最初に食べるようにし、材料がよくわからないもの、詰め物をしているものは注意して食べます

ストレスを管理する

ホリデーシーズンは楽しい時期でもありますが、ストレスが多い時期でもあります。ストレスはお腹の不調にもつながるということで、この時期にリラックスできる方法を見つけておくことが大切です。例えば、散歩やジョギング、ヨガやピラティス程度の軽めの運動、瞑想(マインドフルネス)、そして誰かと話すことがおすすめされています

楽しむこと

最も重要なのは、休暇中に愛する人との時間を楽しむことです。少々高FODMAPな食材が入り込んだとしても、慌てる必要はありません。全てが台無しになるわけではないので安心してください

 

出典:https://www.monashfodmap.com/blog/7-tips-managing-your-ibs-over-festive-season/

 

グルテンとIBS

パンケーキ

グルテンとは小麦、大麦、ライ麦に含まれるタンパク質であり、もちもちした弾力のある食感を出すために使います。一方で、小麦ベースの食品には炭水化物の一種であるFODMAP(主にフルクタン)も含んでいます。グルテンとフルクタンは全く違うものです
全ての人がグルテンフリー食事療法をする必要はありません。グルテンに過剰反応するセリアック病者の場合、ほんの少しのグルテンを食べるだけでも小腸が傷つき、栄養素の吸収を妨げ、骨粗鬆症や貧血などの長期的な悪影響があります。セリアック病患者は1%ほどですが、オーストラリア人の多くて10%がグルテンフリー食事療法を行っています
セリアック病でもないのにグルテンを含まない食事をとっている人は、非セリアックグルテン過敏症(NCGS)を持っていると言われることもありますが、これはFODMAPに反応している可能性もあり、結論は出ていないようです。ということで、IBS患者がグルテンフリー食事法をするメリットは今のところなさそうです。NCGS患者と思われる参加者に2週間、高グルテン、低グルテン、プラセボ食を食べさせたところ、低FODMAP期間後に症状が改善しましたが、グルテンを含む食事で悪化することはなかったとのこと
とはいえグルテンフリー食を実践すると、高FODMAPと言われる小麦製品を控えることにはなるので、症状が軽減することは多いのでしょうね

 

出典:https://www.monashfodmap.com/blog/gluten-and-ibs/

 

キウイとオオバコ、プルーンのどれが便秘に適しているか

日本ではあまり聞き馴染みはありませんが、便秘対策のためにプルーン、オオバコ、プルーンがおすすめされることがあるようです。オオバコは特に種子を粉末した形で食物繊維として使われます(サイリウムとも言います)。そんな3種の食材を慢性便秘の人に与えてみた実験です
IBSまたは機能性便秘と診断された成人に下記のいずれかを4週間与えたとのことです
  • グリーンキウイ 小さめ2つで150g (85kcal)
  • プルーン 100g (347kcal)
  • オオバコ種子の粉末 12g (45kcal)
それぞれ、食物繊維は6gに相当する量に揃えています
結果、3つのグループは全て自発的な排便が増加したとのことです。あえていうならプルーンが一番効果があったようですが、他のグループとそれほど差はなかったとのこと
中でもキウイフルーツは68%の参加者が摂取に満足しています。食物繊維が豊富な上に、ビタミンCも豊富です。オオバコはIBS患者にも与えて良いとされているようですが、まれにお腹が張ることがあるようです。とりすぎないようにご注意ください。プルーンは食物繊維も豊富ですが、高FODMAPなソルビトールも含まれ、一部の人には不快な症状を引き起こしうるとのことです
ということで、最初はキウイフルーツから始めると良いのでは、と言われています。オオバコは水を吸うとかなり膨らむので、デキストリンと比べると結構使いにくいのでその点もおすすめはしにくいところ

 

出典:https://www.monashfodmap.com/blog/research-update-kiwifruit-psyllium-and-prunes-which-one-better-constipation/